小さな猛禽 ツミ

かっぱの楽校 生き物講座129

ツミの写真

ある夏の朝、ベットを出て窓から外を見ると、目の前の電線にちょっと大きめの鳥が止まっています。目をこすって何の鳥かとよく見ると、なんとタカの仲間のツミ(メス)です。ガラス越しなのでツミには気づかれず、急いでカメラをセットして撮影することができました。

ツミは日本のタカの仲間では最も小さくて、メスはハトぐらいの大きさで、オスはさらに小さくヒヨドリほどの大きさです。昔から漢字では「雀鷹」と記されていました。主にスズメのような小鳥類を捕食し、巣立ち幼鳥にはそのころ旬のセミもよい餌になっているようです。樹林で繁殖しますが、都市部の大きくなった街路樹に巣を架けることもあり、東村山では北山公園周辺などで繁殖することがあります。冬は多くは南方に渡って行きます。オスは繁殖期にけたたましい声で「ピョーピョピョピョピョ」と鳴くので、この声で存在に気が付くことがよくあります。気が強くてけんかっ早いので、すぐに自分より強い鳥にも戦いを挑んで向かって行きます。しかし、増えすぎたカラスがツミにとっても大きな脅威となっています。

北多摩では東京都レッドリストで絶滅危惧種に該当するので、もしもツミの繁殖を見かけたら、そっと見守ってやって下さい。 《ビー永島》

2025.12.19 かっぱ通信159号に掲載